つれづれ道草

すべてはどこかで繋がっている...

第4段 アレフと無限(前)

アレフとはなにか?

その言葉を知っている人のほとんどは、かの有名な宗教団体の変更後の名前と答えるだろう。

が、その言葉の意味や語源を知っている人は少ないのではないだろうか。

かの団体は最近(といっても1年ほど前くらいか)、再度、名前を変えてアーレフとしたらしいが、意味は同じである。

わたしはこの教団名アレフ(アーレフどちらでも同様)への変更を、少々残念に思っている。

というのは、当初、アレフという言葉を使ったサイトタイトルで、いつかはHPをつくってもいいかなと考えていたからだ。

完全に先を越されてしまった。

べつにわたしが教団をつくるわけではなく、サイトタイトルに利用するぐらいでその教団からクレームがつくわけではないだろう。

しかし、それは断念せざるを得なくなった。

冒頭で話したようにアレフ云々というタイトルを見れば、その言葉を知っている人ならそのうちのおそらく90%以上は、それをかの教団と関連付けて認識するであろう。
サイト開設時にはまず、そうではありません、その理由は・・・という面倒な説明を余分につけねばならないし、またそうした説明あるなしにかかわらず最初から閲覧を拒否される確率も高くなるからだ。

アレフという言葉がもつ本来の意味よりもオウムの別名としての認知が一般には圧倒的に大きいからである。

かの教団が事件を起こす以前から、いくつかの企業名、ブランド名等にアレフという言葉が使われていたようだ。
さもありなん、とわたしは思う。

それらの大半は、基本的にはオウムとはなんのゆかりもない法人等で、教団の最初の名称変更により、弁明など余計な労苦を担わされてしまった。迷惑な話であったろう。

あれほどの事件があったにもかかわらず、現在もその教団は存続している。そのほとんどは真面目な好青年たちなのかも知れない。アレフと改称するくらいだからそうした数学的な思考をもった信者も多いのだろう。

人々を無差別にサリンで殺害する行為に深遠なる教義が隠されているとはどうしても思えないが、まあ教義ということではなく、教団に所属せざるを得ない信者それぞれののっぴきならない理由が別にあるのかも知れない。

つい余計な言及をしてしまったが、ここでは旧オウムの話をするつもりはなかったのである。

テーマは、本来の意味の「アレフ」である。

この認知は日本人全体でどのくらいだろうか?

少なくとも、不勉強なわたしの妻や娘は、これを知る由もないことは確実である(いちおう2人とも最高学府を出ているというのに)。確かめてみるまでもない。

「知ってるわよ、オウムの別名でしょ、それくらい・・・」
という、ああやっぱり、と溜息の出る抗議が返ってくるばかりと想像する。
またそれなら数学の・・・と説明しようとするとそれだけで拒否反応がでてしまうだろう。
愚妻、豚児とはよく言ったものだ。

イスラエル人ならほぼ幼児以外のすべての人がオウムという意味でないほうのアレフを知っているだろう。(逆にオウムとの関連認知はほとんどないだろう)

それはアレフがヘブライ語であるからである。(イスラエルの公用語はヘブライ語である)

しかしながら数学用語のアレフというところまではイスラエル人でもどうだろうか。

アレフとは、ヘブライ語におけるアルファベット(アレフベートという)の筆頭文字を示し、以下の見慣れない文字で表される。

א


そして、数学用語で、深淵な「無限」の数の集合を表す記号として用いられている。

書き順がおもしろく、

  1. まず左斜め上のほうから右下に斜めに下ろす
  2. その次に右上から点を打つように最初の斜め線の上まで伸ばす
  3. ここでいったん筆を離し、1画目の斜め線の左上部位置から下に線を下ろす

X(エックス)の文字と一見、字格好が似ているようだが、書き順のちがいだけでなく画数も2画ではなくアレフは都合3画である。

以上が、わたしがテーマとしたい無限とアレフについての話の前提である。(前置きが長いなあ)

(04/09/18)

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参考文献