気になる果実

果実といってもトリビアの実みたいなもんかなあ?


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赤い夕陽

早尾の夕陽

高校三年生 という歌はその曲名ゆえにいまの若い人たちにも認知があるようだが、歌手の舟木一夫と同世代のわれわれにはとくに身近な哀愁歌唱と言える。
その有名なイントロが「赤い夕陽」であるが、先日、いやこの日付だけは明確にしておいたほうがいいかも知れない、2004年の10月16日(土曜)の夕陽は少し異常と言うべき色合いだった。

日没が早くなって、いまは午後5時を過ぎるころから薄暗くなってしまう。その日のちょうどそのころ、わたしと妻は買い物と食事に出かけようとしていた。

その前の週末、体育の日を含む3連休は、初日が関東直撃の台風の到来、
2日目以降はいわゆる「台風一過」で、期待したにもかかわらず小雨などぐずついた日ばかりに終わってしまった。
その翌週の週末、16日の土曜日も前半すっきりせず、翌日の日曜の秋晴れに大いに期待したのである。

そのため少し異常な赤も、「夕焼けの次の日は晴れ」への期待感でそのときは単に美しいものとしてとらえてしまった。
サイト開設以来、夕方からでも持ち歩いているデジカメで思わず写真を撮ったのだった。
写真は、茨城県利根町早尾台の街並みだが、実はこの時、クルマを止めて写真を撮ろうとしたのはこの夕焼けが目的ではなかった。

直接の撮影動機はその町並みの左手の並木のなかでひときわ鮮やかな朱色をした果実に眼を引かれたからなのである。その樹木とは・・・。

ピラカンサ

左はピラカンサの実。
ピラカンサという名はあとで調べて知った。和名はトキワサンザシ。(同種で黄色の実のほうは、タチバナモドキ)

秋に赤い実をつける樹木はいろいろあるだろうが、これはわたしは初めて見かけた。
毎年ここで見られるのだろうが気がつかなかった。
妻も同様で、「見ているようで案外、見落としているものね」と言う。
WEBを開設したから、「発見」できたのかも知れない。

振り向くと、先に紹介した早尾の夕焼けが・・・。

しかし、その日の不思議な「赤のSHOW」は、これだけで終わらなかったのである。

夕焼けと地震

もう少し進んで北方方面から取手方面を一望できる箇所にくると、強烈な夕陽が西の空に広がっていた。
それが次の写真である。

北方から取手方面の夕陽

ところが、4.5日経って、この夕陽の写真をサイトの中で紹介しようと 「わびさび写真館」秋編スライドショー に加えたのであるが、
何かほかにもコンテンツができないかと、「赤あるいは夕焼けについての企画」でも考えてみようと思ったところ・・・。

同じ10月16日の夕焼けに限定して、その異常な赤さについて記述しているブログがいくつかあることに気がついた。
また、夕焼けと地震の関連について記載されているサイトも同時に見つかったのである。

そういえば・・・その夕方から数時間後、翌17日の未明に地震があったことを思い出した。
しかも短時間に続いて2回も発生していたのである。
正確な時間を調べてみると、17日、午前2時19分と同3時54分でいずれも震源がわたしの住居に近い茨城県沖、さらにどちらも震度3から4、マグニチュードも同じM5.6だった。

その夜、わたしが就寝したのは深夜3時半頃で1回目は起きていたから当然、体験していた。
つい先日も久しぶりに大きな震度5弱の地震があったばかりでまたかと驚いたが、2回目も同様の大きさであったにも関わらず寝入り鼻でわたしは気がつかなかった。
翌日、丘の家(龍ヶ崎若柴にあった喫茶店。現在、閉店)を訪問したときに店の人から言われて2回もあったのかと知ったのである。
もしかして2回に「小分け」だったのが幸いであり、この2つのエネルギーが一度に放出されていたとしたらちょっとたいへんだったのかも知れない。

こんなことを思うと、やはり夕焼けの赤さと地震には関連があるというのが真実のように思えてくる。
あの阪神大震災の前日もそうだったとも聞く。

夕焼けはなぜ赤い?

それでは、まず、そもそも「夕焼けがなぜ赤いのか」、そこから確認して見なければならない。

「夕焼けってどうして赤いの?」と聞かれてすぐ答えられる人はどれだけいるだろうか。
説明が長くなったり難しいとすぐ忘れてしまうので、キリヤ化学が答えてくれた解説を手短かにまとめてみよう。

  1. 粒子の波長が短い青い光は散乱しやすく、波長が長い赤い光は散乱しにくいという性質がある
  2. 日中に比べ夕方は光が斜めにあたるので光が通る空気層がそれだけ長くなる
  3. 通るべき空気層が長くなるほど散乱しやすい青い光が除かれてしまうので赤い光だけが残る

1番目の公理のような性質を説明するのはとても難しいということなので省略しているが、1〜3を覚えておけば子供たちなどに説明するには十分であろう。

夕焼けがさらに赤いとは?

さて、それでは、「通常の夕焼けより赤くなる」ということはどういうことだろう?

それは赤い光が従来よりさらに通りやすくなるというより、「青い光」がさらに多く散乱されてしまうこと。
と考えるほうが妥当であるように思える。
「青い光が多く散乱されてしまう」ということには、どういう原因が考えられるだろうか。

一時的に何らかの理由で「空気の層がさらに厚くなる」というのはどうか。

夕焼けは、雲が垂れ込めていると夕焼け自体が見えないわけだから、雲が厚くなるということではないだろう。
では、雲ではない大気圏がさらに「上空側に拡大する」ということなのだろうか。
どうもこれは、重力その他の関係で、ちょっと考えられないような気がする。

とすれば、もしかすると「空気の層が広がるというより、その密度が濃くなる」ということではないだろうか。

大気の密度?

一見透明に見える大気の密度が濃くなる、あるいは高くなる。
これをもっと追求するには、すなわち、透明な空気のなかに何が含まれているのかを考えなければならない。

第一感、わたしが思いつくのは、電磁波である。

すなわち、大気中に含まれる電磁波が多くなるということ。
地震が起きる前には、その近くから盛んに電磁波が発生し、一時的に空気の密度が高まり、青い光の通過を妨げる抵抗値が高くなる。
まったくの素人考えであるが、どうだろう?

逆にもし地震と電磁波の関連が証明されるとすれば、夕陽がやけに赤いときは必ず地震が近くで起きると言ってもいいのではないだろうか。
空気中の電磁波の量を調べるのは普通の人ではできないが、夕焼けならだれでも見ることはできる。

そういえばなぜか雨の日は地震は少ないように思うが、これは何か関係があるのだろうか?
でも、因果関係がもしあるとしてもそれは別次元の話になるかも知れない。
雨の日にもし震源から電磁波が発生されていたとしても夕焼けにはならないから一般には分からない。
雨の日に地震が起こらないのではなく、予知が難しくなるだけに過ぎない。
雨の日に地震が起こりにくいのが事実とすれば、まったく別の観点から考えなければならないだろう。

いずれにせよ、夕陽の赤さの原因を再確認し、さらに異常に赤い夕焼けの直後の地震を体験したわたしは、なんとなく夕焼けの赤さを地震予知のひとつの手段として認めてもいいという気持ちになっている。

(04/10/31追記)
(04/10/20) (04/10/16撮影)