イントロの刺身

イントロとはさわりだけ。
ちょっと調べてみただけ。
だれか様の受け売り。
でも見た目だけは旬なもの、
撮れたてのものにしたいナ。
なんてったって刺身って
言ってしまったけんね。

TOPページわびさび写真館>イントロの刺身6品目:カラスウリ

カラスウリは何が売り?

自然

カラスウリ

いいねえ。この風情。

とにかく、ヘンな力をいれずにぶら下がっているのがいい。

自然である。

秋。
雑木林や竹やぶ、華々しいところではなく、ふだん誰もがとくに注意して見ないところに突然、実がひときわ鮮やかになっている。

奥ゆかしいではないか。

でも、カラスウリの魅力はこういう姿だけではなかった。

けっこう、味がある植物なのだ。(食用という意味ではない)

名は、唐瓜。

カラスウリ2色

カラスはあまり好きではないのだそうだ。カラスウリを。
烏瓜と漢字で書くのに、なぜだろう。

カラスウリの名前の由来がそもそも烏瓜ではないからだ。
「唐朱瓜」。
から・しゅ・うり、なのだ。
中国から伝わった朱墨の原料である辰砂(しんしゃ)、その鮮やかな緋色になぞらえてこの名がついた。

でも、色は朱色と黄色の2種がある。
これについては、地域によって、どちらか一方だけの色のものしかならなかったり、どちらの色もなる場合があるということだ。ちなみにわたしの住む茨城県は両方の色がある。
カラスウリは色づく前は写真のようにスイカのような模様がある。拡大写真などで見るとスイカか野菜のウリか何かのように見間違えてしまうかも知れない。

学名は Trichosanthes(トリコサンテス)という。参考まで。

カラスウリと種 カラスウリの種

カマキリの頭に似ているという人もいる。
でも、「打出の小槌」というほうが縁起がいい。
カラスウリの実を割ってみるとこの形の種がたくさん入っている。
(写真参照。右はクリックしてさらに拡大できます。黄色の果肉の中に埋まっています)
財布に入れておくとお金が貯まるということだ。
できれば小銭ではなくホログラフのついた今風の札が増えるとありがたい。
大きな耳の福の神、大黒様の顔に見える人なら脈があるかも知れない。

この形がもうひとつ別のものに見えるという。
そこから、カラスウリは

、玉梓という。

「たまずさ」とは「たまあずさ」の転じたもの。たまづさ、玉章とも書く。
古代、使者が手紙を梓(あずさ)の木に結びつけて持参したことからこの名がついた。
カラスウリの種が「結び文」に似ているところから、玉梓はカラスウリの別名ともなっている。
手紙や便りを美化した言い方であると同時に、その手紙を運ぶ使いの者、使者のことも指すようになった。

したがって「玉梓の」は、この使者にかかる「枕詞」になる。
万葉集でよく使われる言葉である。

黄葉の 散り行くなへに 玉梓の 使ひを見れば 逢ひし日思ほゆ

これは万葉集に注記されている「柿本人麻呂歌集」の歌である。
「玉梓の」は枕詞であるがゆえに現代語訳では訳さない言葉になる。
が、「たまずさ」に込められた古人の美意識を考えると、そもそも現代語に訳してしまうことがおかしいことに気づく。
「玉梓の使ひ」はあくまでも「玉梓の使ひ」であって、単なる「使ひ」と訳してしまうには惜しい気がする。
愛する人の死を知らせる使者を迎えた人麻呂、その切ない思いを現代に伝える歌である。

は妖艶、夜に咲く。

花がこんなにすごいとは知りませんでした。
育てて咲かせて撮影するまでは
群馬大学の青木繁伸氏の写真をお借りします。

植物園へようこそ!
Botanical Garden
Botanical Garden

これは、すごい。
一糸乱れず、そのレースのような花弁の先を絡ませずに四方に展開する。
夏の夕闇がせまるころから咲き出し、夜明けにそのショーを終える。
大人の華だ。

夜顔月下美人 も夜に咲く。いずれも白い花。 純白なのに、なぜか純潔よりも妖艶という言葉がふさわしい。
もしピンクの花だったら、「桃色吐息」という唄が似合うか。


パートナーがスズメ蛾というのもしゃれている。蛾は夜の蝶だ。
月下美人の場合はそれが蝙蝠で、これもお似合いの花粉の媒介者だ。
南総里見八犬伝に登場する毒婦が玉梓という名であるのもなんとなくわかるというものだ。
夜に咲く花でほかに ゆうすげ (夕萓)というのがあるが、これは 「淡い黄色よ〜」と森進一が唄っている
これも不倫がテーマで・・・おっと話がそれてしまいそうだ。
(上記、ヨルガオ、ゲッカビジン、ユウスゲも青木繁伸氏の写真を。ゲッカビジンの写真など撮るのは至難の技かも知れません)

⇒ 2008/07/24 ついに念願の花を実写!

カラスウリの花、開花

とうとう庭のカラスウリの花の開花のチャンスに巡り会うことができた。
いきさつは、後述の雌株・雄株購入のいきさつおよび以下をご参照ください。
08/07/24付 Columbus Blog カラスウリの花
(08/07/25追記) (翌08/08/11撮影のものに差替)

はやさしい天花粉。

実が大きめであるほかは花もほとんど見分けがつかないほどよく似たキカラスウリという別種もあるらしい。
どちらも実や種、根などが生薬として使われている。
とくに根はでんぷん質で、粉にしたものが天花粉として汗知らずに使用されていたとのこと。

とにかく、花を咲かせてみたいと思ったので、なんとか株を見つけて植えてみようと思っている。
季節的にはこれから春先までというからちょうどいい。
交配には雌株と雄株がどうも必要なようだ。

庭のカラスウリ

後日談: 実は上記の後、すぐに雌株と雄株を
インターネットで手に入れて庭に植えたのである(04冬)。
インターネットというのは、
果実は食べられないし鑑賞植物ではないせいか
比較的大きな園芸店に問い合わせても取り扱っていなかったからである。
届いて、初めて見た株はなかなかユニークなものだったが、
おばかなわたしは、植えてしまってから、
「あっ、株を撮影し忘れた!」。

その後、すっかり忘れかけてたような翌05年春先のころ。
なんとか芽が出て、右は 8 月の状態。

こんな家の脇、物置の隣りにしか場所がなくて、
狭いところに雌株と雄株、それぞれ 4. 5 コずつ。
これではうまくいかないだろうと思っていたが・・・。
案の定、この年はそのまま枯れてしまったようになった。
当然、花は咲かないし、無論、果実も生らない。

庭のカラスウリの花

ところが今年(06年)になって、また芽が出てきた。
ふうんと思っていると夏になって、
「なんか花が咲いたみたいよ」と妻。
見ると、なるほど痕跡がある。
確かにこれは花が咲いたあとのようだ。
しかし、夜も明け方に咲くというのだから、
次に咲きそうな蕾を選んでおいて
心の準備をしようかと思ったが、
探して見てもほかに蕾らしきものはない。

たった1回のチャンスを逃したのか!


諦めが早いのか単なる怠惰なのか、またしばらく経って見てみるともう1つ花が咲いた形跡がある。
しかも花の根元には果実らしきものがふっくらとしている。やれやれ。なんてことだ。
そして、さらに決定的な事件が・・・・!

なんのことはない。その後、家の外壁の塗装、塗り替え工事をやったために、カラスウリは見るも無残な姿となってしまった。
まあ、根が残っているだろうから、来年に期待するしかない。
結構、養分を必要とするらしいので、こんどは少し気を使ってやらねばならないだろうな。

ラスウタツム

カラスウリとカタツムリ

昨日(06/09/17)、同じタイトルで ブログ を書いたら oneshot さんという方からコメントをいただいた。
なんと oneshot さんもカラスウリとカタツムリの写真を同日のブログに掲載されていたのである。
これはとても不思議なことである。

カタツムリ殻 動き出したカタツムリ

上は昨年11月、カラスウリの葉にくっついていたカタツムリを持ち帰ったものである。
干からびていたので、殻だけでまさか生きているものとは思わなかった。
ところが翌日、家のテーブルにおいてあったそれが、なんと動き出したのだ!
こんなことがあって印象に残って写真に撮っておいてあったのだが、昨日同じ場所にカラスウリを探しに行くと、やはりカタツムリも一緒にいたのである。
そして、oneshotさんのコメント。
もう、これは何かあるよね?!
少しネットで調べてみると・・・。
どうもカタツムリはカラウスリが好きなようで、なんとあのわたしが見たいと思っている白い花を食べるというのである。
これはぜひ来年、花を咲かせると同時にカタツムリをなんとかつかまえてきて、その花を食べさせてみたいね。

(06/09/18追記) (04/11/10)
(06/09/18・06/09/17・06/08/11・05/11/22・05/11/21・05/08/20追加撮影) (04/10/17撮影:若柴の散歩道・04/11/03:牛久自然観察の森)

また見つけました。カラスウリとカタツムリ。

カラスウリとカタツムリ

11月に印西市の田園地区に行ったときも、カラスウリを見つけた。なんとそこにもカタツムリが。
これはもう、関係があるのは確実だなあ。
写真中央下のオレンジ色の実がカラスウリ。そのちょうど真上の樹の枝にカタツムリ。クリックするとカタツムリのUP画像に。
(06/11/12追記) (06/11/05追加撮影)